この度は初段をご許可してくださり心より感謝申し上げます。
自分が極真空手を始めたきっかけは親戚からの誘いでした。誘いを受けて入門したものの最初は道場の雰囲気に馴染めず、いつも一人ぼっちでした。稽古も全然楽しくなく、いつも辞めたいと思っていました。嫌々出場した初めての大会で初戦敗退してしまい、すごく悔しくてそこから僕はいろんな大会に向けて必死に稽古をするようになりました。小学四年生の時に出場した徳島県大会で組手、型ともに優勝することができました。その後も稽古を重ね、小学六年生の時に国際親善大会の型部門で愛媛中央支部初の決勝進出を決め、極真祭ではベスト８まで勝ち進むことができました。しかし中学進学と同時にコロナが流行し、出場するはずだった国際親善大会の出場がなくなりました。そこからどんどん大会が中止になり、勉強や部活も忙しくなって空手に対するモチベーションが下がってしまいました。だんだんと稽古に行く回数も減り、稽古に行くことが重荷になっていました。組手に恐怖を感じるようになり、稽古に行く前には恐怖で涙を流すこともありました。それでも稽古に励むも、昇段審査を受けさせていただくことの厳しさを度々痛感しました。仲間は大会で優勝したり、黒帯を取ったりと自分との実力にどんどん差が生まれ、自分に劣等感を抱くようになりました。そんな中、ずっと陰で見守っていてくれたのが母でした。時に厳しくしかって、時に優しく声をかけてくれた母は自分にとってすごく大きな存在でした。母のためにもこのままではいけないと思い直し、そこから稽古に行く回数が増えていきました。昇段に向けての稽古は自分が思うよりも厳しく、心が折れそうになりながらも踏ん張ってきました。稽古に励む中、遠ざけていた大会に出場しました。組手は小学生の時から一度も勝利したことがない相手でした。緊張と不安でいっぱいでしたが、絶対に勝つという気持ちで挑み初めて勝利することができました。勝利した喜びは今でも忘れません。昇段審査に向けての稽古が勝利に繋がったと思います。そして昇段審査当日、今まで自分がやって来た事を信じて挑みました。結果、努力が報われ黒帯を取ることができました。この黒帯は谷口拓也師範をはじめとする先生方や先輩方、家族の力を合わせての黒帯だったと思っています。黒帯になった後も後輩の指導やサポートをし、黒帯の先輩として恥じないように精進してまいります。
昇段を支えてくれた家族、仲間、先生方、先輩方、そして入会した時から自分を一から育ててくれた谷口拓也師範に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。