香川・岡山西支部(岩田厚支部長)は、8月5日、6日の2日間、岡山県倉敷市児島にある「倉敷市自然の家」で夏合宿を実施した。自然の家は山の中にあり、たくさんの緑に囲まれていた。昨年の4月にリニューアルされたこともあり、綺麗で広々とした施設に驚かされた。
稽古は、宿泊施設から10分ほど歩いたところにある体育館で行われた。直射日光を浴びながらの稽古とはまた違う暑さや苦しさのある稽古となった。室内であったため熱気がこもる中、1種目50本ずつ行う基本稽古や、様々な道場生との組手稽古でさらに暑さが増し、皆汗が止まらないようだったが、大きな気合いで乗り切った。
休憩と水分を十分に取った後、長縄跳び大会が行われた。5チームに分かれ、それぞれのチームごとに縄を回す人、飛ぶ人を決め計3回の合計回数を競った。小学校低学年の生徒から大人までいる班もあったが、それぞれ協力しながら数を重ねていった。
4班まで終わり、最後は香川壮年チーム。皆息を合わせて跳んでおり、今までの最高記録を更新。見事優勝かと思われたが、班員の1人が「疲れた、もう跳べない!」と放った。その言葉を聞いた岩田師範が、「壮年チームは疲れてリタイアだ!優勝は女子チーム!」と言い、岡山女子チームの優勝が決まった。まさかの結果となったがみんな大笑いで楽しい長縄跳び大会となった。
夜ご飯はお楽しみのバーベキュー。一般部のおかげでお米やお肉、野菜の準備が速やかに行われた。しかし、炭がなかなかおきず苦戦した。途中から高校生や中学生の生徒も協力し、約1時間かけてすべての準備が完成した。きつい稽古のあとに食べるご飯はいつもの何倍もおいしく感じられた。
夜になると、合宿恒例の演芸会。4つの班に分かれて劇やクイズ大会が発表された。
香川・仏生山チームは、今流行りの「ブレイキングダウン」の劇を面白おかしく演じ、大人も子供も大爆笑に終わった。岡山女子チームはクイズを劇中に混ぜながら発表し、これも皆楽しそうにクイズに答えていた。それぞれの演芸が終わると最優秀賞が発表されるのだが、今回の園芸の最優秀賞を決めるのに岩田師範は頭を抱えていた。結局1番が決まらず、先ほど紹介した2チームがじゃんけんをして勝った方が最優秀賞ということになった。両者譲らぬ戦い。結果、香川・仏生山チームが勝利し最優秀賞に選ばれた。
演芸のあと、高校生による熱いスピーチが行われた。皆それぞれの経験や現状を踏まえて少年部たちへアドバイスを送った。高校生たちのあとは秋に昇段審査を受ける4人のスピーチが行われた。それぞれの空手に対する想いや黒帯への憧れの気持ちを語った。
2日目も非常に暑い日であった。早朝は「由加神社」へ参拝に行った。皆今後の空手の目標や健康を願って手を合わせていた。
神社から帰ってくると道着に着替えて稽古が始まった。基本稽古のあと高校生男子によるセミコンタクトルールでの組手が行われた。迫力のある組手に少年部たちは固唾を呑んで見守っていた。
そして、個人の縄跳び大会。小学1年生から3年生、小学4年生から6年生。中学生以上の3つの部門に分かれて行われた。中学生以上の部となるとなかなか優勝者が決まらず、谷琉生と寺峯典子の2人が残ったまま約12分間跳び続けていた。優勝は谷琉生、準優勝が寺峯典子となった。
稽古が終わり、お昼ご飯を食べた後はこの合宿最後のイベントを行った。イベントの内容は、地図を頼りに山の中にある25個の看板を探し、看板に書かれてあるクイズに答えていくというものであった。山の中は坂道や階段が多いため、大人たちはとても疲れていたが、少年部は早く看板を見つけようと坂も階段も関係なくすごいスピードで登っていた。少年部たちの体力に驚かされ、ついていくのに必死だった。最終的に香川・仏生山男子チームが99点で優勝した。
この合宿で岩田師範は、「感謝」や「恩返し」について話されていた。
「試合に出場できているのは審判やスタッフがいるから。空手を続けられているのはお父さんやお母さん、指導してくれる先生がいるから、だからその人たちに感謝しなければならない。そして、何か形にして恩返しをしなければならない。」と話した。これからもその気持ちを忘れず、皆稽古に励んでいくだろう。