この度、昇段審査の機会を与えてくださった森支部長に、心より感謝申し上げます。
私は極真空手を始めて16年が経ちました。当時42歳で、きっかけは仕事で一緒になった職人の方々と昼食を共にした際の会話からでした。格闘技の話から極真空手の話になり、次第に「やってみようかな」という気持ちが湧いてきました。すると、その中の一人が「町田なら良い先生を紹介しますよ」と言ってくれました。
それまでスポーツ経験は全くなく、右半身の怪我の後遺症も気がかりでした。18歳の頃にオートバイで事故を起こし、右膝靭帯断裂、右骨盤骨折、右上腕複雑骨折などを負ったのです。そのため不安はありましたが、「何もしなかった」と後悔することは避けたかったので、日取りを決め、道場見学に行ったその日に旧城西下北沢支部町田道場に入会しました。市村直樹支部長に師事し、空手を学び始めました。
市村先生は矢沢永吉の大ファンであり、私も同じくファンだったので、その話題で盛り上がったことが今でも記憶に残っています。
当初は、基本稽古、移動稽古、ミット打ち、スパーリング、補強など、どれもが厳しく感じられました。「今日はしんどいから稽古を休もうかな」と思うこともありましたが、その度に「えい、行ってしまえ!道場に入ってしまえば!」という気持ちで通い続けました。
月日が流れるにつれて体も徐々に慣れてきた頃、市村先生から試合に出てみないかと誘われ、先輩方の後押しもあって何度か試合を経験させていただきました。こうした経験を経て、気づけば16年が経っていました。
その間、仕事の関係や度重なる事故、ケガなどで稽古に行けない時期もありました。「必ず復帰します」と何度も言ってきました。それでも不思議なことに、空手を辞めようと思ったことは一度もなく、身体が動く限り続けようと思っていました。
そして、2024年2月、森支部長から昇段審査の話をいただきました。初段(黒帯)という新たな扉を開き、初心に帰って取り組むつもりです。
私のような者に目をかけてくださった森支部長、先輩方、指導員の皆様、道場生の皆様に、心から感謝申し上げます。私は不器用な人間ではありますが、これからも精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。