下総ファミリー 120号 2021/11/28

< 行事予定 >

* 1月   9日(日)      合同稽古AM9:00~12:00予定(清水公園体育館)

* 2月 20日(日)      型試合(清水公園大体育館)

* 2月27日(日)       昇級審査(清水公園体育館 柔剣道場)

※ ↑ 上記行事は予定変更・中止になる場合もあります。

※ ↑ 上記行事中は各道場休館になります。

< 冬季休館のお知らせ >

            【年内最終稽古】  【年始初稽古】

*せんげん台道場    12月28日(火)   1月7日(金)

*愛宕道場       12月25日(土)   1月4日(火)

*流山道場       12月27日(月)   1月5日(水)

*我孫子道場      12月27日(月)   1月8日(土)

*おおたかの森道場   12月26日(日)   1月5日(水)

*松伏道場       12月25日(土)   1月6日(木)

< 肘、裏拳、手刀 >

基本稽古(少年部などでは入れていない所もある)には肘、裏拳、手刀がある。

空手の武器として考えた時に必要であるからであって実践と考えた時には実際に使える。しかし

残念ながら現在のルールの中では武器として使いづらいし、効力も発揮しづらい。これらの技は

首より上の攻撃に対して効力を発揮する事が多いからである。しかしながら私の道場では、例えば

少年部で禁止されている肘打ちを基本の動作にそのまま入れている(他にも入れている道場はある

と思います)。それは体幹に近く体の重さ(一塊理論)を使う事を覚えるからで、肋骨より上の

重さを一塊と考えて、その重さを上手く使うと言うもの。パンチを打つ時にも活かされます。

ただし、重さよりスピードを重視する時は腕を速く使うやり方で威力よりも当てる事を考える。

実際、相手が近くに寄って来た時、胸倉を掴まれた時、打撃を使わずに対処するやり方もあります

が、一番速いのは頭突きで次が肘打ちではないでしょうか。

肘打ちは、下から上、右から左(逆も有り)、上から下、縦たまま前へ、指先に近いので比較的

自由に動かせる。次に裏拳を考えた時、手首を返して拳頭で当てるとしたら、少し難しくなるし、

外れたら威力は落ちる。そこで掌と逆の背の部分を鍛える事で重さや硬さそして怪我もしずらく

なると言う事になってその鍛えた所(背の部分)で打つと命中が増すし、威力も増す。この時、

肘を上手く使わないと打つと言う動作に繋がらなくなる。威力化するために脇や股関節の震わしも

使えるとなおよい。肘の場合は胸や肩を打つ事が出来るが裏拳では顔面でないと中々効かない。

組手の時、裏拳で攻撃する選手を見た事ないですよね。最後に手刀ですが、先程の二つの技より

ソフトに感じるかも知れませんが、私は結構手刀の使い方を意識します。テレビドラマなどで

首筋に手刀を入れてよく気絶させるシーンがあると思いますが実際には瞬時に落ちる事があっても

あの様にはならないと思います。打つ部位は柔らかいですが鍛えると石の様にカチカチになりま

す。人間は凄いと思います。こちらも裏拳の様に肘を上手く使い、打つ動作をします。

肘は上下左右から裏拳は横(一方)と前へ、手刀は上から下、左右両方からの攻撃が一般的です。

三つとも体の使い方が分からないと基本をやっても、ただの準備体操の様になってしまいます。

今一度どうしたら威力化で出来るか考えてみてください。どうしても分からなければ先生や先輩

に聞くのもいいでしょう。稽古の幅も広がるのではないでしょうか。

< 反則技の美学 >

空手は実践と試合と分けて考える事が出来ると思います。試合は実践をするわけにはいけませんの

でルールを決めて命のやりとりをしないで行います。少年部は特に危なくない様に防具として

サポーターやヘッドガードなどを付けて行います。危なくない様にサポーターなどを付けているの

に利かすこれは一見矛盾して見えますが選手権では最低限(ファールカップなど)の防具で試合を

行います。なので怪我をする事が多くなります。少年部は怪我のリスクを減らすために事故対策

としてサポーターなどを付けます。当たり前の話しですが、それでもボディーに突きや蹴りが

入ると危ないのでディフェンス力も必要です。しかし実践を考えた時、試合では安全性と

言う事でルールがあり、反則事項があります。つまり危険だからです。相手にダメージを負わせる

時に頭突き、目突き、噛みつき、締め、これらの技を極めたらある意味強くなると言う事にもなる

かも知れません。例えば日本人は相手が不意打ちや背後からの攻撃、金的蹴りをしたら汚い奴だと

思う所があると思います。しかし相手が2mで150㎏あったらそれこそある意味反則ですよね。

こんな相手と戦うなら物を持って戦わないとフェアではないと思います。格闘技でも体重別が殆ど

です。格闘技をやっている人は強いですが、反則技を使ってはいけない、或は反則技を使わない

稽古をしているので実戦になったらどうなるか分かりません。実際誰でも知っている様な一流選手

が素人と街で喧嘩になり相手を倒す事が出来なかったと聞いた事があるし、ボクサーが素人との

喧嘩で殴られたと言う話も聞いた事があります。素人や喧嘩慣れしている人はセオリー通りの

打ち方をしないので読みずらかったりします。もし総合の選手がテイクダウン(立っている人を

倒す事)を奪って揉み合いになったら相手に噛みつかれて、抓られ、急所攻撃されたら対応できる

のか、或いは1対1ならなんとかなるが複数人いた時寝技が使えるのか等、考えさせられます。

それ以外にも喧嘩に勝ったが相手が土下座して申し訳ありませんでしたと頭を下げ今回だけは

許してやると言って立ち去った時、後ろからブスリなんてやられたら身も蓋もありません。

他には見ための恐さや口の上手い人もある意味武器になるでしょう。これらも含めて反則技と考え

た時、実践と試合とでは全く違うと感じてしまいます。どこまでを反則技の美学として捉えるのか

また、反則技の美学と言う言葉が存在するのかも疑問になって行くと思います。

道徳的に捉えるのか、生きるためと考えるのか。しかし人間は社会で生きているので秩序が必要

です。上手くグレーゾーンを使う人もいます。反則技の美学。中々難しい哲学です。