昇段レポート(寺峯勝治) 2024/02/20

10年の感謝

井原道場 寺峯勝治

この度、昇段審査受審の許可を頂き、このような機会を与えて下さった岩田師範には深く感謝を申し上げます。また、井原道場でご指導頂いております池田先生をはじめ、入会から今までご指導頂いた岡山西支部・香川支部の諸先輩方ならびに先生方にも深く感謝を申し上げます。

入会してほぼ10年が経ちました。入会したきっかけは、娘が習っていたピアノをやめてしまい、何か家族で体を動かす習い事が無いか探していた時に妻の同僚(大阪に行かれた河田朱美さん)からの勧めでした。当時の井原道場は女性の佐々木先生が指導されており、女性の先生で女性の同僚の勧めなので伝統派の空手だと思って気軽に家族で見学に行ったら、道着に「一撃」の文字が入った「極真空手」でした。高校生の頃にも見学した事が有り(現在の新極真 三好道場)恐くて入会出来なかった「極真空手」です。一撃の文字に恐れをなしていると組手稽古の際に妹尾先輩が胴回し蹴りを池田先生に放っておりました。それを笑顔でかわす池田先生を見て「恐っ胴回しなんかプロレスでしか見た事ないのに…」と思いながら、娘がやりたいと言わない事を願っておりました。見学が終わって娘が「楽しかったからやりたい!!」と言ったときは唖然とし「仕方がない覚悟を決めよう」と決心し、妻と3人で入会しました。(当時、妻は伝統派と極真空手の違いを知りませんでした。)

道着が届き初めて帯を締めた時の緊張感は今でも忘れないです。妹尾先輩に「道着が白なのは死に装束と同じです。道着を来たら死地に向かうつもりで稽古しましょう!!」と言われ、死に物狂いで稽古をはじめました。はじめの1年は週1回の稽古だけでクタクタになり、週2回3回なんて到底行ける状態ではなかったです。1年を過ぎた頃に娘を試合に出させたいと思い「試合に出たら?」と言ったら「お父さんかお母さんが先に試合に出て!!」と言われ全中四国大会の初級者が出るチャレンジコースに出場しました。1回戦は先生方の応援も有り勝ち進み、2回戦敗退し、3位決定戦も負けてしまいました。その時、肋骨も折れて心も折れそうになったのですが、娘が「お父さんががんばってるのを見たら自分もがんばって試合に出てみる!!」と言ってくれたのです。こうして徐々に娘も試合に出て、小さかった息子も入会して試合に出るようになり、妻も試合に出るようになりました。私は相変わらず試合で骨折を繰り返しておりました。

骨折を繰り返す事で中々思うように稽古も出来なかったのですが、池田先生をはじめ先生方がその時の状態に合わせて稽古をつけてくださり、続ける事が出来ました。その頃に三角先生から「10年続ければ黒帯になれるから、がんばって続けてください」と声をかけて頂き、又、薮井師範代からは「このまま続ければ、もう少しだけ上手くなれば試合で骨折する事も無くなるから、がんばって続けてください」と声をかけて頂きました。その時は10年も続けられるかなぁ…本当に骨折しなくなるのかなぁ…と思っておりましたが、その頃を境に骨折しなくなり、気が付くと10年経って昇段審査を受けておりました。継続は力なり、続ける事は大事なのだなぁとつくづく思いました。入会した頃に佐々木先生が「黒帯になって初めてスタートラインに立つのだ」と言われておりましたが、今はほんの少し、ほんの少しだけですが分かったような気がしています。

最後に2つの事をお伝えしたく、1つ目はお世話なった先輩から頂いた言葉です。「先輩に助けて頂いたりお世話になった事は、その先輩に返すのではなく後輩に返していきなさい。合宿に行けばわかると思いますが、上級生や先輩にお世話になり、数年後に自分が上級生や先輩になったら後輩のお世話をする。後輩に返すようになる。これが極真空手で、これが極真空手を発展させているのです。」

2つ目は 試合の場や稽古の場を設けて指導してくださる岩田師範に感謝!! いつも指導してくださりセコンドについたり応援してくださる池田先生や諸先輩方ならびに先生方に感謝!! 一緒に稽古をしてくれて試合の時に大きな声で応援してくれる道場の子供たちに感謝!! 子供たちと一緒にいつも大きな声で応援してくれる道場の父兄の方々に感謝!! そして一緒に空手を続けてくれる家族に感謝!! 感謝!! 感謝!!