昇段レポート『Never Never Never Give up』 秋山俊太郎 2023年6月取得 2024/01/08

 

この度は、昇段審査を受審させて頂き誠にありがとうございます。

受審の機会を与えて頂いた森支部長をはじめ、黒帯の先輩方、普段から稽古をともにする道場生の皆様に厚く御礼申し上げます。

極真会館の黒帯を締めることとなり、喜びとともにその責任の重さに身が引き締まる思いです。

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私が極真空手の門を叩いたのは今から15年ほど前の大学生の頃でした。当時私は第一志望の大学に行くことが出来ず、進学した大学でも充実した学生生活を送っておらず、鬱々とした日々を過ごしていました。

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そんな中、ある大学のキャンパスに足を踏み入れ極真空手同好会の勧誘チラシを目にしました。他大学の学生でも入部することができ、全日本ウェイト制中量級チャンピオン(その方が森支部長です)が指導してくれるとあり、早速稽古が行われていた東京城西支部の新宿道場を訪ね入門致しました。
極真空手との出会いは私の学生生活を一変させました。

それまでの何をやったらいいか分からない悶々とした日々から週5日の厳しい稽古の毎日となり自分が向上していくことに喜びと充実を感じる日々となりました。
当時は森支部長が選手として、全日本大会や世界大会に向けた稽古をしており私も全く及ばずながら稽古をともにさせて頂きました。

時に厳しい指導を森支部長はじめ諸先輩方に受け、試合にも勝てず心が折れそうになることもありましたが、稽古をともにする仲間に支えられながら空手を続けることが出来ました。

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稽古を通じてできた仲間は今でもかけがえのない財産です。努力すること、継続すること、仲間を持つことの大切さ、空手を通して学んだことは数えきれないほどあります。

その中でも特に大切だと感じたのが「諦めないこと」だと思います。
私が極真空手に入門した当時、黒帯の先生、先輩は本当に数えるほどしかおらず、かつ組手の強さは当時の私には「同じ人間なのか?」と思うほど強く私は到底黒帯を取ることは出来ないと入門当初は半ば諦めていました。
結局大学卒業時は茶帯までの取得となり、就職を機に一端空手からは遠ざかりました。
再び空手の練習を本格的に再開したのは大学を卒業してから5年ほど経った頃です。
森支部長から下北沢道場と町田道場を受け持つことになったので、もう一度一緒に空手をやらないかと誘いを受けたことがきっかけで、再び森先生指導の下で、空手を始めることになりました。

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その頃から、お世話になった森先生の下で、黒帯を取りたいと思うようになりました。

やがて森先生が支部長として独立され、私も指導補佐として指導の手伝いをさせて頂くようになり空手を教わる側から教える側へと立場が変わっていきました。
そして去年の夏に「今度の審査で黒帯を取りなさい。」と森支部長に言われ昇段に向けて一層稽古に邁進していた矢先、仕事中の交通事故で脚の骨を折る大怪我をしてしまいました。
黒帯を取るどころか松葉杖の生活となり歩くこともままならず、稽古に行くことも出来ない日々となりました。
「なんで、こんなことになったのか?」と自分の不運を嘆きましたが、また空手の稽古に復帰したい一心でリハビリを続けました。
S__126615857療養中には森支部長はじめ、沢山の道場生の皆様から暖かい励ましを頂きました。
そして無事ケガを乗り越え、今回昇段を果たすことが出来ました。
「諦めない」
私はケガを含めた今回の昇段審査を通して、その大切さを自覚しました。
「Never Never Never Give up」(決して、決して、決して諦めるな)
これは第二次世界大戦中にイギリスを率いたウィンストン・チャーチル首相の言葉です。
諦めないことが大切と口では簡単に言えますが、人生は辛いこと、苦しいこと、悲しいことの連続で心が折れて全てを諦め投げ出してしまいたいと私は毎日のように思います。
しかし、「止めないこと」「継続すること」が物事を成し遂げる妙蹄ではないでしょうか?
仕事でも習い事でも必ず要領のいい人とそうでない人がいて、両者の差はすぐ広がってしまうように思います。

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私も空手のセンスはない方で向いてないからやめようと思ったことは多々あります。
しかしどんなことでも5年、10年と途中でやめないで継続していると、不器用ながらも必ずある程度の形になり、普通の人がすぐに真似の出来ないものになるのだと思います。そしてそれが人生で一番大事なことではないでしょうか。
「堪える。これが一番大事」

私の祖母が生前よく言っていたことですが、今初めてその意味が少し分かったように思います。

 

 

何事も一足飛びには成し得ることは出来ない。一歩ずつ焦らずたゆまず努力していく他はない。すると必ず道は開け明るい未来がやってくる。空手はまさに人生そのものであり、人生を私に教えてくれていると思います。

随分偉そうなことを書いていて、大変恐縮ですが、私自身まだまだ若輩者で全くの未熟者です。

黒帯を取ったこれからが本当の空手人生のスタートだと自覚しております。

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S__126615845支部長、そして諸先輩方や道場生の皆様、未熟者ではありますが、これからもご指導、ご鞭

撻をお願い申し上げます。

押忍。

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