下総ファミリー125号 2023/03/27

< 行事予定 >

*4月29日(土)・30日(日)  国際大会(東京体育館)

*5月21日(日)       昇級審査(野田市総合公園体育館)

*5月21日(日)  群馬県大会(高崎アリーナ 柔剣道場)

*5月28日(日)  千葉県少年大会(柏市中央体育館)

※ ↑ 上記行事は予定変更・中止になる場合もあります。

※ ↑ 上記行事中は各道場休館になります。

< 大谷翔平の言霊と心の持ち様 >

『僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう。一塁にゴールドシュミットがいて、センター

見たらトラウトがいて、外野にはムーキー・ベッツがいたりとか。今日1日だけは彼らへの

憧れを捨てて、勝つ事だけを考えて行きましょう。さあ行こう!』 『オーッ!』先日行われた

WBC決勝戦前ロッカールームでの円陣で大谷翔平選手がチームメイトの前で発言した余りにも

有名な名セリフとなった一節。なるほど、その通りだ。メジャーリーグで活躍する大谷選手の

言葉は余計に重い。

実際その場にいた周東佑京(ソフトバンクホークス)選手は『(米国は)凄い選手ばかりで自分

としては全員のサインが欲しい。全員と写真が撮りたいと思っていたけど、いや待て待て、と

引き締まりました』と当時の心境を明かしました。因みに決勝後はグラウンドに残っていた米国の

主砲アレナド(カージナルス)ら数人のメジャー選手と一緒に写真を撮ったと携帯ニュースには

書かれていた。試合は皆さん知っての通り見事に日本は優勝し世界一となった。

サッカーW杯でも昔なら考えられない位、強いドイツ、スペインにも勝利する事ができた。

ヨーロッパは歴史があるから強いと言う人もいるが、戦っている人は今の人同士。

プライドや何か宿るものが違っていたのか?ベースボールでも同じだ。

アメリカには勝てないと昔は言われていた。最近ではベースボールが盛んではないと思われた国な

どもメジャーリーガーが沢山出ている。しかし日本は優勝した。

体力の差も言われていたが、大谷選手は向こうでも現地の人間に負けていない。寧ろ勝っている。

メジャーリーガーが大谷選手のバッティング練習での飛距離に驚いていると言う。そう考えると

心の持ち様や気構え(同じか)や感受性の違いなのか。

空手の試合でよく父兄の方が、相手が国際大会で優勝しているので勝てないとか何々君は強いので

負けるとか親が子供が試合をやる前から決めつけたりする。ある意味子供も洗脳されてしまうし、

私にも同じ様な事を話してくる。本当に勝てないのか?

何年か前に、やはり何時も優勝する様な女の子がいて彼女は体が小さかったが何時も最後に上手く

纏めて勝っていた.。

その女の子が大きな大会の日、朝から体調を崩し嘔吐を繰り返していて裏で寝ていた。とても

戦える状態じゃなかったし子供なので親と本人に棄権した方がいいと伝えた。しかしその子は

決勝戦の舞台に立っていた。私は驚いた。しかも端から見たら普通に戦っている様に見える。

しかし私から見たら普段より明らかに手数が少なく、やはりと思っていたが圧力を掛けて前に

出ると相手が勝手に警戒して下がって行く。最後の30秒だけ極端に言うとラッシュを掛けて

纏めた。旗が上がり見事に優勝した。試合が終わってそのまま彼女は裏に行き倒れ込んだ。

彼女はどうしても優勝したくてその後も試合に出て勝ち続けて行った。本当に凄いと思ったし

同時に感動した。どんな状態でも出場して優勝したいと思う人は多いと思いますが例えば怪我を

したとしたら、その足りない部分を自分の何かが補おうとしているのか意外に勝ったりする。

心は相手へのリスペクト、憧れにも動かされるので強い気持ちで臨む事で勝利を手にする事に

繋がる。スパーリングなどで手が痛い、足が痛いと嘆くだけではなく、その状態で出来る事も

考えて稽古に励むことも必要ではないかと思います。

壮年部の方は怪我に気を付けて頑張って下さい。

< 逆転の発想 >

逆も然りや逆も真なり等、反対に纏わる言葉がありますが又、先程に引き続き野球に関しての

お話しをさせて貰います。

先日、車でラジオを聞いていたら西武ライオンズでバッティングピッチャー(打撃投手)を20年間

やっていた50歳になる武藤幸司さんが引退したと話していた。

武藤さんは社会人野球から大学に入り、そこで活躍して台湾プロ野球に入りそこでも活躍して日本

に帰って来て西武ライオンズのバッティングピッチャーになったと言う変わり種の人です。

西武ライオンズのコーチは武藤さんの事をコントロールが良く回転が綺麗で打ちやすく選手が毎日

打撃の確認をするのに同じ様なテンポで同じ様な所に投げてこれるのでその凄さを感じていたと

話しています。オールスターゲームの前には当時、オリックスバッファローズの吉田正尚選手の

バッティングピッチャーに急遽呼ばれ投げたとの事。

今年から吉田選手はレッドソックスでメジャーリーガーとして戦います。

普通投手は相手の選手(バッター)に打たれない様に工夫して投げます。如何に打たれないか、

緩急をつける為に速いストレート、落ちるボールや横への変化、時には浮く様なボールを投げたり

してバッターを翻弄します。しかしバッティングピッチャーはその逆で、如何にバッターに気持ち

良く打って貰えるか、如何にテンポ良く的確に当てて貰うかと真逆の事を考えて投げます。

恐らく現役の投手は試合では殆どど真ん中には投げないのでそれがバッティングピッチャーになっ

たとたん、ど真ん中に投げると言うのは本来逆の事で最初の頃は投げにくかったのではないかと

思ったりします。

武藤さんは最後の投球で打たれたボール(ある意味逆のウイニングボール)を貰いグローブに収め

ました。

最後は優勝投手の様に胴上げして貰い皆さんに感謝のスピーチを述べて引退となりました。

よく物事を考える時に逆転の発想として逆から物を考える事があります。因果関係もそうですが、

原因があるから結果がある。その原因を探る事で見えて来る事があります。素人的発想からすると

結果が出ない投手は練習で打たれない様に投げるのではなく打たれても構わないと思って色んな

ボールやコースに投げるのも一理あるのではないでしょうか。

この考え方は空手の中でも言えるのではないでしょうか。例えば、ガチンコでは負けないけど上段

を貰って負けてしまう。なのに稽古では相変わらずガチンコをメインでやっている。でも、その人

はガチンコが強いのであればそこではなく上段を何故貰うのか考えなければなりません。

この機会に色んな事を見直してみては如何でしょうか。