下総ファミリー122号 2022/09/22

< 行事予定 >

*10月23日(日)千葉県空手道選手権大会(組手:中学生以上)・型選手権大会(船橋市青少年会館)

*10月30日(日) 支部型試合(清水公園体育館)

*11月  6日(日) 支部昇級審査(清水公園体育館)

*11月19日(土)・20日(日)

全日本空手道選手権大会

全日本女子空手道選手権大会

国際親善空手道選手権大会(東京体育館)

※ ↑ 上記行事中は各道場休館になります

< 暴力? 教育? >

ある日、少年部の生徒が『先生と佐山どっちが強い?』と唐突に言ってきた。

私が当時、高校3年生の頃に憧れていた初代タイガーマスクの佐山聡先生の事だった。

私は何でこの子が佐山聡を知っているのかと正直驚いた。『何で佐山聡を知ってるの⁉』と聞くと

『佐山凄い!』を連呼する。何処が凄いの?って聞いたら『本当に凄い!』と言った。

会話にならなかったので私は聞く事を諦めた。暫くすると(稽古時間の合間に)その子が他の子を

殴って『俺をナメてるのか!』と言っていたので注意しに行った。

すると『先生殴っていません』『佐山ゴッコです!』と返ってきた。どうやら昔テレビでやって

いた『佐山聡 地獄の合宿・これは暴力ではなく教育』の事だと分かった。

我々世代の中では有名で、今でも “YouTube” で見ることができるようだ。合宿の生徒に佐山先生が

『思いっきり蹴れ!俺をナメてるのか!』と言って殴っている。これを凄いと言っていたのだ。

今の子が見たら衝撃的なのだろう。私の頃でもそうだったが、今では直接殴られる事があまり無い

と思う。

本当に偶然他の生徒の親から『よく、これをモノマネしました』とLINEでその動画が送られてきま

した。思わず笑ってしまいました。私は高校の時、強豪の野球部に所属していて、今は無くなりま

したが当時3年生が2年生に『1年生の態度が悪い』と難癖をつけ、佐山先生の言葉を借りれば

教育をします。すると2年生は1年生にまさに倍返しでケツバットと言いフルスイングでお尻を

ボールを打つ様に打ちます。涙が出る位痛く、先輩にいつかやり返してやると思いながら、1年

経つと後輩に矛先の向きが変わっています。

3年生は1年生が入ると舎弟をつくり、舎弟は3年生のために水筒にお茶を入れて家から持って

行きます。我々の頃は野球部は午後から授業がなく、野球グラウンドへ向かい夜遅くまで練習を

していました。真夏でも休憩はなく水も飲ませて貰えませんでした。

1年生はバッティング練習で先輩達がファールボールを打つと周りが田んぼで、そこには本来は

飲めない水道があり、その水を飲んだりして生きて行くためにあらゆる手段を取りました。

だから以外に倒れたりする人が少なかった。フラフラになった人がいるとヤカンやバケツに入った

水を頭からぶっ掛けられ、気合を入れられてまた再開。

道場では適度に水分は与えていますが、直に『先生喉が渇いた!』と言ったり、勝手に水筒の所に

行き飲んだりする子までいました。ある程度我慢させることも必要ですが、もし何か起きたらと

考えると中々難しい事だと思います。

柔道で当時、日本代表の監督だった篠原信一先生は『柔道は根性』と言って厳しく指導して、

ロンドン五輪で金メダルを初めて日本勢が取れず惨敗した事がありました。

次の監督の井上康生先生の時は、リオ五輪で全階級でメダルを取り称賛されました。

井上監督は篠原前監督とは真逆に近いやり方をしました。しかし私は篠原前監督の基礎となる

厳しさの上で選手が活躍できたのではないかと思いました。

実際、井上監督も同じ様な事を発言している記事もその後見つけました。

暴力か教育かそれは中々難しい問題ですが飴と鞭と言う言葉もあります。

あなたはどう思われますか。

< 働き蟻の法則 >

働き蟻の法則、或いはパレードの法則や2:6:2の法則と言われたりする法則があります。

これは、例えば10匹の蟻がいると2匹は働いて6匹は普通で残りの2匹は働かない蟻という

ものです。しかしこの体系が崩れても又、新たに2:6:2となると言う物です。働き者の蟻が

動けなくなったら普通の蟻などが働く様になると言う事で、つまり体を温存していたそれらの

蟻が動く様になると言う事。

野球やサッカーなどのスポーツでも選手が引退や怪我での長期離脱などがあると、他の下の選手が

伸びてきたりする事があります。私も実感しています。私の道場での少年部のスパーリングで

例えると、力のあるAチームとその他Bチームに分けて行います。

Aチームから2人抜けてBチームから2人上げます。すると初めはAチームの戦力は落ちますが直ぐ

に新しく入った2人は強くなり人数の調整で2人をBチームに戻した所、前はガンガン打ち合って

いたのですが2人は力加減をして行っていました。勿論チームの環境(状態)が変わったからでも

あるのですが私はこの時、働き蟻の法則を思い出しました。

2割の強い選手(働く蟻)が努力などによりもっと強くなるとその周りの選手(普通の蟻)が感化

され、その道場や支部では普通の蟻も他から比べると強くなっている。道場や支部全体が底上げ

されていると言う事が起きます。

つまり核となる強い選手が上がれば周りも同じ様に上がると言う事です。

昔の城西や城南、少し前の鹿児島や兵庫、最近の城西や城北なども指導者や選手の努力も勿論です

が、その辺が上手く行っているのではないでしょうか。どこの仕事場でもあの人はさぼってばかり

で辞めて貰いたいと思っても、その組織では実は必要なのかもしれません。

昔の野球の巨人軍も他のチームの4番バッターを揃えたが結局は期待に応える事が出来ない選手が

殆どだったと記憶しております。働き蟻の法則を別の角度で見てみるとダイバーシティ(多様性)

も当て嵌まるのではないでしょうか。

ラグビーの日本代表も沢山の外国人選手がいました。サッカーやベースボール(欧米)でも色んな

人種の選手が一緒になってプレーして活躍しております。

日本の大学でもAPU(立命館アジア太平洋大学)は94ヵ国・地域の留学生が45%と言われて

います。かなり評判のいい大学と聞いております。

逆に仲の良い友達何人かといつもつるんでいると、そのうち価値観の違いで喧嘩が起き、そんな人

だとは思わなかったと言う事にもなりかねません。

働き蟻の法則、あなたはどう思いますか?