下総ファミリー119号 2022/03/24

<行事予定>

*4月16日(土)2022極真祭・全日本大会(東京体育館)

*4月17日(日)第53回オープントーナメント全日本空手道選手権大会・

2021全日本女子空手道選手権大会(東京体育館)

*5月15日(日)千葉県少年大会(柏市沼南体育館)

*5月29日(日)昇級審査(清水公園体育館)

*6月19日(日)支部交流試合(清水公園体育館)

※ ↑ 上記行事は予定変更になる場合もあります。

※ ↑ 上記行事中は各道場休館となります。

<型に嵌める、嵌めない>

前にも少し触れた事がありましたが(型について)武道などで型(形)を学び、それを

身に付けて(宿る)行く事を大切にするのが常で、その型を分解した中に基本や移動稽古があり、

それらを覚えて組手などに繋げて行くという考え方。

私の師は例えば前屈立ちから猫足立ちに移行(移動)する時、その動きの途中(真ん中)は

どう言う形ですか?と言われた。これは日本的発想で海外の人達はその場(この場合は

真ん中の形)はそこに拘らない。何が大事だと言う事の方が意味があると考える。

でも、日本的考えはその移行の中の形もキチンと綺麗にと考える。なのでその間の形は後屈立ち

となる。

ひょっとしたら前屈立ちと後屈立ちの真ん中は何ですか?と思ったかもしれない(笑)

そう考えると前屈立ちから後屈立ち、猫足立ち、鷺足立ち(極真では鶴足立ち)、そして

前蹴りと繋がっていく。その逆も然り。

日本的考え方は一つ一つ丁寧にコマ送りの様に(挙動を作る)形を作る事で正確性を高めようと

している気がします。なので似たような形(体形や道場によっても似てくる)になっているのでは

と思ったりします。日本の武道は軍隊式の形が多く一人の指導者の号令のもと、皆同じ動きをしま

す。なので何時から何時までと時間も決まって、その時間に合わせて来て稽古をします。しかし、

ボクシングやキックボクシングなどは来れる時間に来てメニューをこなしたり、約束したりする

場も多く、少年部は時間を決めて行う事が多いと思います。

では型に嵌めたものと、そうでないものとどちらが良いのでしょうか?私は最初、型に嵌めずに

少し形が出来たら型に嵌め、我々の空手でいう黄帯(5、6級)位になったら型から外すのが良い

のではないかと思っております。

例えば、形などの動きを観させて(大雑把には教える)少し形になったら型に嵌め(細かく

教える)その後自分で考えさせると言うもの。他には突き(パンチ)を教える時、初めから左手は

目の高さで右手は顎に構えて追い突き(ジャブ)は肘を上手く使って拳を回し込み、引いて逆の

手を同じ要領でムチの様に打つと教えるのではなく、その人の好きな様にまず打たせます。

最初っから型に嵌めてしまうと窮屈になり威力も出せずに形に捉われて強く打てなくなってしまい

ます。なので私はある程度までは好きに打たせてそれが身体に宿る少し前に型に嵌めて形になって

きたら好きに打たせると言う事です。

キックボクシング(ムエタイ)でタイ人の指導を何人か見ていますが、主にコンビネーションを

教える人、単発で強く打ったり蹴ったりを多くやらせる人、細かく指示をせず教えている事を多く

目にします。細かく言うのではなく、例えば膝を持ち上げてここで回してなど教えるのではなく、

そのまま足を打(ぶ)ん投げ回す(言葉として変かも)。

極端な言い方をすると太くて少し長い棒を振り回している様に蹴らせたりしています。勿論全ての

タイ人がその様に指導しているわけではありませんがハーイ!イェー!オー!などと言って会話?

をしていたりします。結果として膝が高かったり、威力が出るとか、ローキックは上から落とす

のではなく、下から蹴った方が重くて強いと感じているのではないかと私は思ったりします。

型に嵌めた考え方が正しいのか正しくないのかは千差万別な考えがあると思いますが、我々は通常

稽古の中で型に嵌めた事を学び、それを違う稽古でその動きを活かす事で精進できれば良いのでは

ないかと思います。

<力の働き(方向)>

私が手刀で野球のバットやタル木を切る時に気付きがあった事のお話をしたいと思います。

これは当たり前の話なのですが力の働きには慣性力や揚力、遠心力などがあります。少し

考えれば分かる事ですが以外に気付かない事もあります。私たちは手刀で切る。それを

仕留めると言います。なのでバットやタル木を切って仕留めるのです。

師はタル木を相手の腕と考えよ!と仰います。最初の頃は遅くて失敗が続きました。その時師は

真下に打てと地面を指しました。

その後私は下の方に向けて打った(その頃は切るにはほど遠かった)ら又、真下に打てと仰いまし

た。腕がタル木に向かって垂直(90度位下)に打てと仰ったのです。私は恐らく自分の

中で水平に打っているのに真下はないと思っていたのかもしれません。

硬式野球では回転数を増すため上から下に打ったりしますが(最近は下から上に打つ選手も多い)

バットやタル木を切るのに回転数は関係ないと思います。その頃は正直言われている事が良く分か

りませんでした。手刀でタル木切りに失敗した時に『こんな上を打っているぞ!』と教えて頂きま

したが、そこは10㎝程狙った所より上だったので、まさかそんな上に打たないだろうと若輩ながら

自負しておりました。砂袋や巻き藁を殆ど外さずに少し見ただけで打てる様に成っていたので師の

言葉が信じられませんでした。

しかし師がこの場で冗談を言う筈もなく、良く分からなかったのです。ところがある会場で演武を

行った時、動画を撮っていた方が私に見せてくれたのです。その動画はバットを立てた状態で両手

で持ち立て膝で持ち手の方が座っているもので(愛の告白♡で女性にバラの花束を差し出している

感じです(〃艸〃)ムフッ)1回目を失敗してしまい2回目で切ったのですが、私としては失敗した事が

許せなかったのです。そこに写っていた画像は信じられない位上の方を打っていて完全に太くなっ

ている部分でした。実際に覚えているのですが打った時、重く鈍い音と抵抗感があったのを覚えて

います。持ってもらった人は手が痺れましたと教えてくれました。

バットでもタル木でも上手く切れると持ち手が驚くほど手に感じない位、衝撃がないのです。

何でだろうと動画を観ていたら角度的に少し滑っている事と極端な言い方をすると練習で100%の

力で打つのと本番で100%の力で打つのは違い120%位の力で打っているので手も伸びしかも揚力が

大きく関わっている事が分かりました。

それが分かっていた師は私に真下に打ち下ろせと教え下さったのです。確かに飛行機も助走が遅い

と飛べないと思います。

タル木の持ち手は軽く持っているために手刀が遅いとタル木が倒れてしまいます。中途半端なスピ

ードでは少し傾くために手刀が滑っていきます。この後は成功率が上がりました。

他にも突き(パンチ)を打つ時、真っ直ぐ打つ人が多いと思います。それは基本の時に真っ直ぐ打

つためでこれは初めのうちは真っ直ぐ打ちましょうと教えるため、文字通り基本だからです。

先程の話ではありませんが上級者になったら基本は基本なのでその型から外れて次のステップに

入らないといけません。しかし実際には身体は回転をしています。

右手で打つと左に流れ、左手で打てば右に流れます。パンチングミットを持つと打つ側は右手で

打ちそれを右手のミットで受けます。つまり回転して打っている証拠です。

敢て真っ直ぐ打って(回転させずに)威力を落としてでも当てる事もありますが基本的に回転して

打ちます。その時、実は遠心力が加わり外側い行こうとしています。つまり、右のストレートを

打つと右側に膨らもうとするのです。しかも抜力して打つと拳の重さで慣性の力も働くのです。

パンチが速ければ揚力も働こうとしていると思います。

それを上手くコントロールする事で確実性が上がります。手刀でブロック割りや板割りでも身体が

回転するので遠心力や慣性力が働くのです。鉄槌で行っても同じ事が言えます。ただ多くの人は

身体を突っ込んで打つために手刀とインパクトの間の距離が短くなりしかも手首や尺骨を怪我し、

酷い時には骨折に至ります。身体が突っ込むと前屈みになり、遠心力や慣性力が殆ど使えません。

遠心力、慣性力、揚力以外にも助骨から上の重さを利用した一魂理論や地面からの跳ね返りの他、

沢山使う事によってパワーが生み出されます。