◆昇段を望む道場生へ◆
「黒帯」
それは強さの象徴であり、武道のエキスパートと言えるでしょう。
また極真空手の黒帯となると、取得できる確率は入門者の数パーセントといわれ、 海外でも空手は東洋の神秘性を持ったものと見られており、中でも”ブラックベルト”への 畏敬の念はただならぬものがあるとも聞いています。
●黒帯の条件とは
現在、東京城東湾岸支部で定めている黒帯の条件とは
1.空手の技量が一定以上のレベルにあること。
2.社会性がある。
3.指導者としての技量がある。
という3つの柱がベースとなります。
そしてこの3つの条件を判断する為に、多くの基準が設けられています。
もちろん年齢や性別に応じて、多少は基準の強度が軽減される事はあるものの、基本的には定められている基準をクリアできなければ昇段はできません。
●黒帯を締めるという事
黒帯になると、極真をある意味背負う立場にあります。
職場や学校をはじめとする様々な社会の場面においての言動が、本人の望む、望まないに関わらず、極真会館の看板と結びついて判断されます。
人を傷つければ「極真は乱暴者の集まり」と見られ、逆に礼儀正しければ「さすが武道家」と敬意をもって見られる でしょう。
そして黒帯になれば、武道ではもう”一人前”とみなされます。
自ら課題や目標を設定し、それが正しく的を得ていなければなりません。
●本質的な事
極真空手の黒帯とは、他流派を含めて空手をやっている人はもちろん、空手をしたことがな い人にさえ一目置かれるほどの輝きを放っています。
あくまでも自分の「強さ」や人間性の向上が目的であって、「極真空手」という武道をとおし、結果として黒帯があるのではないでしょうか。
黒帯を持っているから「強い」わけでも、「優れている」わけでもありません。
それは、一流大学や会社にいるから人格が素晴らしいわけではないし、良い資格を持っているからといって仕事ができるわけではないのと一緒です。
全てはその人の在り方や、生き方が問われるのです。
●最後に
昇段を考える前にもう一度自分の胸に聞いてみて頂きたいこと、それは「自分は黒帯に本当にふさわしいのか」という事です。
是非、日々研鑽を重ね、昇段にチャレンジして下さい。
また黒帯取得は空手修行における「ゴール」ではなく「区切り」であるとお考え下さい。
常に高みを目指して行く事が、武道の真髄であります。